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不動産を共有名義にする場合の問題点

2018-10-08

相続財産の不動産(土地・建物)を相続人のうちの一人の単独名義にするか、相続人全員の共有名義にするか、悩まれる方も多いと思います。

共有名義にした場合、どのような問題が起きるのでしょうか?

 

民法第249条には「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」と規定されています。

相続の場合には、それぞれの相続人は対象となる物を持分の価格に従い、全体を使用することができます。

ですが、相続財産に不動産がある場合、「不動産を共有名義にしない方が良い」とか「共有名義はお勧めしません。」などと言われることも多いです。

それはなぜでしょうか?

 

◇共有名義でも問題が無いケース

相続財産のほとんどが不動産で、相続人全員に平等に遺産分割ができない場合に、対象の不動産を売却し、売却代金から手続にかかった費用を引いた残金を持分に応じて分割するというケースがあります。

このように不動産を売却し得られた金額を持分で分割する方法を「換価分割」と言います。

もちろん、相続人全員が同意していることが前提です。

このようなケースは相続人全員が同意しているので、共有名義になっていても特に問題はありません。

 

◇共有名義の問題点

相続における不動産の共有名義は、下記のような問題が生じる可能性があります。

 

・共有者が増える

例えば、共有者が2人で相続財産の土地を2分の1ずつ共有しているケースで、共有者の一方が亡くなり相続が開始した場合には、共有持分が相続人の数だけ細分化する事になります。

そうなると、相続人が増えて権利関係が著しく複雑になってしまうという可能性があります。

また、不動産の共有者が増えると利害関係者も増える可能性もあり、不動産の活用や売却をするときに共有者の意見がまとまらずスムーズに行えなくなるという問題も発生します。

 

 

・不動産の活用が難しい

先程もお伝えしましたが、共有者が増えると、不動産の活用や売却する際に、共有者の意見がまとまらずスムーズに行えなくなることがあります。

不動産の売買では、司法書士が売主に直接お会いし本人確認をさせていただきますので、もし共有者の中に認知症などで意思表示をする事が困難な方がいらっしゃる場合には、売買ができないこともあります。

 

・遺産分割がまとまらない

共有名義を解消して単独名義にするためには共有者(所有者)全員で遺産分割協議を行う必要があります。

ところが、共有者全員の考えが同じであれば良いのですが、共有者のうち一名でも同意しない共有者がいる場合は単独名義にすることはできません。

 

  • 共有状態を解消するには

共有名義の土地(不動産)を相続した場合に、相続人全員で協議がまとまらない場合は、民法第907条第2項に「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。」とあります。

相続人の間で遺産分割がまとまらない場合には、弁護士などの専門家に依頼し、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をすることもできます。

 

以上のように不動産を共有状態にする場合には、予想される問題点等を考慮した上で、行うことをお勧めします。

 

また、公正証書遺言などの遺言書を作成し、共有者(相続人)が争わないように将来を見据えた分割方法を考えることが大切です。

 

土地や建物の不動産に関する名義変更や遺言書の作成でお困りな方は「お電話」又は当サイトの「お問い合わせフォーム」からご予約ください。

未成年の相続人がいる場合

2018-10-01

亡くなられた方の相続人に未成年者がいる場合、「特別代理人選任」という手続が必要となる場合があります。

遺産分割協議を行う場合は、未成年者も含めた法定相続人全員で協議する必要があります。

20歳未満の未成年者は、法律上の物事を決定するための判断能力が不十分であるとみなされ、原則的に親権者が未成年者の法定代理人となります。

しかし、法定代理人である親権者も相続人である場合には、親権者が子の法定代理人として遺産分割協議をすることはできません。

親権者に代わって子の代理人になる「特別代理人」の選任が必要になります。

このような場合は、未成年者のために特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立て、選任された特別代理人が未成年者を代理して手続をおこないます。

未成年の子が複数いる場合は、特別代理人はそれぞれ選任する必要があります。

 

なぜ特別代理人の選任が必要なのかといいますと、例えば父親が亡くなり相続人である母親・子2人の合計3人で遺産分割協議を行う場合、母親が子の代理人となるとすると、「母親がすべての財産を相続する」というように、母親の都合の良い遺産分割協議をすることができるようになってしまい、子の相続権が侵害されてしまうからです。

母親と子が共に相続人となる場合において、遺産分割協議を行うことは母親と子の利益が反する(利益相反)状態と言えます。

 

◇特別代理人の選任手続

・申立人:親権者・利害関係人

・申立先:子の住所地の家庭裁判所

・申し立てに必要な費用:収入印紙800円(一人につき)、郵送費

・裁判所に提出する書類:①特別代理人選任申立書

            ②未成年者の戸籍謄本

            ③親権者の戸籍謄本

            ④特別代理人候補者の住民票

            ⑤遺産分割協議書案

            ⑥相続財産の資料など

 

特別代理人を選任する際に、家庭裁判所に遺産分割協議書の案を併せて提出します。

この遺産分割協議書案は、案と言っても、特別代理人が選任された後に変更することはできません。また、先程の例で「母親がすべての財産を相続する」というような、子に不利な遺産分割協議書案では、家庭裁判所で認められないこともあります。

ですが、親が子の法定相続分よりも多く財産を受け取ることについて「合理的な理由」があれば、認められる場合もありますので、遺産分割協議書案の記載方法が重要となってきます。

 

◇特別代理人の候補者

特別代理人は特に資格などは必要ありません。

申立人が申立時に候補者を決めて、家庭裁判所に申立を行います。

未成年の子と利害関係のない親族(叔父、叔母など)にお願いされるケースが多いです。

特別代理人をお願いできる親族がいない場合は、司法書士等の専門家を候補者にすることも可能です。

 

◇特別代理人選任と司法書士

司法書士は家庭裁判所に提出する特別代理人選任申立書の作成、戸籍謄本の取り寄せ及び遺産分割協議書の作成まで行うことができます。

また、特別代理人が選任された後の、不動産や預貯金といった相続財産の名義変更手続も

司法書士が行う事ができます。

 

当事務所では、特別代理人選任手続の前提として必要となる相続人調査、相続財産調査、及び遺産分割協議書の文案作成など、申立書の作成から名義変更まで行っております。

 

「お電話」又は当サイトの「お問い合わせフォーム」からお気軽にご予約ください。

相続登記を10年以上していません・・・

2018-09-28

父が亡くなってから10年以上経ちますが、父が所有していた不動産の名義変更を行っていませんが大丈夫でしょうか?

というご相談がありました。

皆さんはどう思いますか?

 

相続登記はいつまでに行わなくてはいけないという義務や期限はありません。

放置をしても、処罰されたり罰金などもありません。

 

しかし、相続登記を行わないで放置した状態ではリスクがあります。

できるだけ早いうちに相続登記を行う事をお勧めします。

 

その理由としては

◇相続人が増えて複雑になる

相続登記をしない状態で相続人の内の一人が亡くなった場合、亡くなった方の相続人の協力が必要になります。

せっかく相続人の間で協議が済んでいた場合でも、次の相続人が同意しなければ相続登記ができない状態になります。

話し合い(遺産分割協議)も再度しなくてはいけなくなり、時間や精神的な負担もかかります。

 

◇勝手に不動産を売却される

不動産を所有していた方がお亡くなりになった場合、遺言書もなく、法定相続分と異なる割合で相続する場合は、遺産分割協議を行う事になります。

遺産分割協議がまとまるまでは、その不動産は一時的に相続人全員の共有状態となります。相続人の一人が、法定相続分に基づいた相続人全員の名義の相続登記を行う事もできますので、登記手続を行い、その相続人が持っている持分を第三者に売却することができてしまいます。

一般的に共有状態において、一人の持分のみを購入するということは買い手側にとっても考えにくいですが、何らかの理由で他の相続人に対し嫌がらせ的な気持ちで勝手に売却をすることもできてしまいます。

 

◇不動産を活用できない

亡くなった方(被相続人)の名義のままだと相続した不動産を売却したり、担保にして借金をすることができません。

相続登記をしていなければ第三者に対して、自身(相続人)の名義であることを証明する事ができません。

 

以上のように、相続登記をしないといくつかのデメリットがあります。

相続が発生した場合には、相続人の間で早めに遺産分けについて話し合いをし、不動産・預貯金・株式等それぞれの財産の名義変更手続をされる事をお勧めします。

 

ご相談をご希望される方は「お電話」又は当サイトの「お問い合わせフォーム」からご予約下さいませ。

相続分の譲渡

2018-09-18

今回は相続分の譲渡についてお話します。

相続分の譲渡とは、相続人が遺産分割の前に自分の相続分を、他の相続人やその他の第三者に譲渡することをいいます。

相続財産を法定相続分割合で相続しない場合において、お亡くなりになった方(被相続人)の遺言書がなく、且つ相続人が複数いる場合は相続人全員で遺産分割の協議を行い、後で争わないように証拠として遺産分割協議書を作成します。

しかし、相続人の間で争いが生じて相続人全員の合意を得ることが難しい場合や、自身の相続する取り分が決まっているが特定の相続人とのトラブルを回避するために、他の相続人やその他の第三者に相続分(遺産全体に対する各共同相続人の法定相続の割合)を無償又は有償で譲渡する場合などがあります。

 

◇相続分の譲渡の方法

・遺産分割の前に行なわなければなりません。

・相続分の一部又は全部について行う事が可能です。

・書面でも口頭でもできます。(登記手続上は相続分譲渡証明書を作成します。)

 

◇相続分を譲渡する相手

・他の相続人やその他の第三者でも可能です。

 

◇対価について

・譲渡に関しては、対価をもらわずに譲渡(無償)でも対価をもらって譲渡(有償)のどちらでも可能です。

 

◇遺産分割について

相続分の譲渡を、他の相続人やその他の第三者に対して行った場合は、譲渡した分だけ相続分の割合が増加することになります。

その反面、譲渡した相続人の相続分は一部譲渡の場合は譲渡した分だけ減少しますし、全部譲渡の場合は消滅します。

全部譲渡した相続人は相続分が全て無くなるため、遺産分割協議に参加する必要はありません。

その他の第三者に対して相続分の譲渡が行われた場合は、遺産分割の協議を行う際、第三者である譲受人も遺産分割協議に参加する必要があります。

 

◇名義について

同一順位の共同相続人の間で相続分が譲渡された場合は、譲渡された後の共有持分の割合により、直接、相続による所有権移転登記を行うことができます。

お亡くなりになった方(被相続人)から、共同相続人以外の第三者への直接の移転登記をすることは認められておりませんので、まず共同相続人による相続登記を完了した後に、相続分の譲渡人から、譲受人への所有権(あるいは共有持分)の移転登記を行う点を注意してください。

このように相続分を譲渡する側からみると煩わしい相続から解放できるというメリットがあります。

また、譲渡を受ける側は相続人が減り、話し合い(協議)がまとまりやすくなるというメリットもあります。

 

私共の司法書士業務の中で相続分の譲渡を利用するケースは、相続人が遠方にいる場合や疎遠な相続人がいるケースや相続が長期化するような場合に比較的多く利用されます。

さらに、相続分譲渡は相続人ごとの個別対応がしやすいので遺産分割協議で相続人全員が合意し成立するよりメリットがあります。

しかし、相続に債務があると相続分譲渡を債権者に対抗できないことと、数次相続の場合は登記が複雑になりますのでご注意ください。

 

◇登記を行う為の必要書類

相続分の譲渡が行われた場合には、譲渡人の印鑑証明書が必要になります。

更に「相続分譲渡証明書」を作成し、通常の相続登記の必要書類に添付し申請します。

 

相続の譲渡に関し、ご相談をご希望の方は「お電話」又は当サイト内の「お問い合わせフォーム」にてご予約を行ってください。

親の自宅を売却するには!?

2018-09-08

親の健康状態が悪くなり介護が必要なったものの、仕事や家庭の事情で自分たちでは親の介護はできず、やむを得ず介護施設で面倒を見てもらうという子世代も少なくはないと思います。

あるいは、子どもたちには迷惑や負担を掛けないようにと、自ら老人ホームへ入居される方もいらっしゃいます。

 

お子さんたちも独立され、ご自身が老人ホームなどに入居されると自宅が空き家になってしまうというケースも最近は増えてきています。

そこで、老人ホームや介護施設に入居する際、今まで住み慣れた自宅や自己所有の不動産を売却し、入居の際の費用やこれからの生活費に充てようとお考えの方も多いのではないでしょうか。

 

実際、不動産の名義人がお元気で意思がはっきりしている場合は問題が無いのですが、認知症や生命延命装置を付けた状態では、ご本人(名義人)の意思確認が難しく不動産の売却も名義を変える手続(所有権移転登記)も行うことができません。

意思能力を欠く人が行った法律行為は、法律上無効になってしまいます。

 

認知症などで、ご本人(名義人)の意思確認が難しい場合は、家庭裁判所で成年後見人の申し立てを行う事も可能です。しかし、成年後見人の役割としては被後見人の財産を守り、必要以上に減らさないことが優先されます。

また、一度選任されると、売買に関することに限らず、被後見人がお亡くなりになるまで成年後見人の仕事は続き、報酬も払い続ける必要があります。

成年後見人には親族が選ばれる事もありますし、弁護士や司法書士が選任されることもあります。

成年後見人の申し立てを行う際には、ご家族で慎重に協議されることをお勧めします。

 

不動産を売却する際、一般的には不動産会社が売主、買主の仲介に入り契約手続を進めていきます。

司法書士が売主、買主から委任を受け法務局へ所有権移転登記を申請します。

その際、司法書士は売主、買主の本人確認及び意思確認をし、正当な契約があったかなどを確認する義務があります。

認知症などによって本人の意思確認が十分にできない場合、司法書士は登記手続を行うことはできませんのでご注意ください。

仮に、不動産を売った時にすでに売主が認知症であったことが後から判明した場合には、売買契約は無効となり、司法書士はその責任を負わなくてはなりません。

認知症になった親の不動産を売却したいのであれば、成年後見人をつけることが必須になります。

 

仕事柄、不動産の名義を変えたくてもスムーズにいかないケースを目にします。

極端な話ですが、認知症になったり、天災・事故や病気などで意思能力がなくなったりなど、明日ご自身がどうなるかはわかりません。

そうなる前に生前贈与で不動産の名義を変えたり、有効な遺言書の作成をしたりといった、事前の対策をお勧めします。

思い立ったが吉日です!

 

生前贈与や売買での不動産の名義変更、遺言書の作成でお困りな方は「お電話」又はサイト内の「「お問い合わせフォーム」にてご連絡ください。

銀行・証券口座の手続をスムーズに行うには

2018-09-01

お亡くなりになった方(被相続人)の金融機関や証券会社での相続手続は、どのように行うのでしょうか?

はじめに、金融機関に被相続人が亡くなったことを知らせます。

預金口座の名義人が死亡したことがわかると、被相続人が取引をされていた金融機関は口座を凍結します。

理由としては、相続人のうちの一部の者が、他の相続人からの同意を得ずに、お亡くなりになった方の預金を全て引き出してしまうことを防止する目的があります。

では、凍結されてしまった口座から預金を引き出す、つまり、財産分けをするにはどのような手続が必要でしょうか。

まずは、対象となる金融機関に、口座解約や名義変更に必要な書類を確認します。

この時は、対象となる金融機関に訪問してもよいですし、電話で対応してくれる金融機関もあります。

そうすると、相続届などの銀行所定の書式をもらえるので、そちらに相続人全員の実印を押印し、その他の必要書類と併せて金融機関に持参します。

 

銀行預金口座の相続手続(名義変更・解約)に必要な一般的な書類としては下記になります。

(遺産分割協議によって分割する場合)

・口座払戻請求書(各銀行所定のもの)

・預金口座の通帳

・遺産分割協議書

・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)

※各金融機関により、必要書類や書式が異なりますので、対象となる金融機関に事前に確認する必要があります。

 

金融機関に必要書類をそろえて提出し、不備等がなければ、1週間~2週間程で、口座解約・名義変更の手続が完了します。

 

ここまで、金融機関での手続についてご説明しましたが、

金融機関の口座解約・名義変更の手続は予想以上に時間と手間がかかります。

私共の事務所にも相続人から、被相続人の預貯金の解約手続や名義変更の依頼を頂くケースが増えています。

当事務所にご依頼頂く理由としては、次のような理由が多いです。

・待ち時間が長く他の銀行に行けなかった

・手続する銀行が多すぎて訪問が困難

・銀行が遠く15時まで間に合わない

・一日では回り切れない

・銀行の窓口担当者が手続方法を知らない

・他の職員に聞きながら行うので時間がかかる

・銀行が発行した残高証明書の金額が間違っていた

・銀行が間違って関係書類を他の相続人に返却された。

 

金融機関によって、支店の窓口で手続を行う金融機関もあれば、相続を担当しているセンターで手続を行う場合もあります。

各金融機関によって手続の方法も異なりますし、窓口の担当者によっても対応に差があります。

慣れている職員は当然、対応が早いですが、そうでない職員は他の職員に聞きに行ったり、本店に連絡しながら進めるので、待たされることが多いです。

会社勤めの方が平日に休暇を取って金融機関に行って手続しようとしても、1行目の金融機関で待たされてしまうと次の金融機関に行けない場合もあります。

金融機関は15時迄ですから、移動時間も考慮しなければなりません。

手続を行う金融機関が複数あると、1日で金融機関を回りきることは大変なことです。

再度、別日に休みを取り金融機関の営業時間内に訪問することになります。

 

このような手続きは相続人が自ら行うことも可能ですが、お仕事や家事などでお忙しく時間のない方、体の具合が悪く外出が困難な方など、ご自身で行うことが難しい方も多いと思います。

 

私共にご依頼いただいた場合は、戸籍の収集(被相続人・相続人)・遺産分割協議書の作成・銀行手続など全て当事務所で対応させていただきます。

また、相続税の申告や、死亡日時点での残高を把握して遺産分割協議を行うために、被相続人が取引されていた金融機関から残高証明書を取得しますが、残高証明書の取得もご依頼頂ければ当事務所で行う事ができます。

残高証明書の取得も、口座解約・名義変更と同じように手間と時間がかかります。

ご依頼頂く事で、相続に関する煩わしい手続を最小限に済ますことができます。

 

ただし、相続人の間で争いがある場合は、司法書士は相続手続を行うことができませんので当事務所より弁護士をご紹介させていただく場合もございます。

 

私共は相続手続のひとつとして日々、金融機関での手続を行っておりますので、安心してお任せください。

お困りな際はお気軽に「お電話」又は「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

熟年離婚の財産と相続

2018-08-30

最近は、長年連れ添ったご夫婦が離婚をする「熟年離婚」という言葉を聞いても、あまり

驚かないようになってきました。

 

私共の事務所にも「熟年離婚」によって不動産の名義を変えたい方がお見えになります。

代表の司法書士が女性ということもあるのか、男性よりも女性からのご依頼がほとんどです。

 

◇婚姻生活で得た財産について

法律では結婚後の財産は夫婦共有です。

その理由としては、夫婦の共同生活で、できた財産は、夫婦の協力があったから増加したと考えるからです。

財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に増加した財産で夫婦の共有財産のみになります。

婚姻期間中に作った夫婦共有の財産(預貯金・不動産・保険の解約返戻金・退職金など)を2分の1の割合で分与します。

では、夫や妻が相続で取得した預貯金や不動産などはどうなるのでしょうか。

これらは、夫婦の協力があって形成された財産ではありません。

夫婦の一方の特有財産とされて、原則としては財産分与の対象とはなりません。

ただし、夫婦の一方が特有財産の取得や減少の防止に貢献や協力していたと認められる場合は、

寄与の度合いに応じて特有財産の一定割合の分与が認められる場合があります。

 

◇争わない為の遺言

熟年離婚に問わず、離婚をすると、相続に関する問題も生じてきます。

離婚後に再婚をした場合、前妻(夫)との間の子と再婚後の子は共に相続人になります。

法定相続分と異なる割合で相続する場合には、遺産分割協議をする必要があります。

その際に、面識のない子供同士が連絡を取るのは、子供たちの負担になりますし、話し合いもまとまりづらい事が多いです。

そういったケースでは、遺言書を書いておくことで、のこされた相続人の負担や手間を減らすことができます。

また、遺言書も自筆証書遺言は検認手続が必要ですが、公正証書遺言は検認手続が不要となるため、

相続人同士、顔を合わせることなく、各相続人が相続手続を進めることができます。

のこされた方々に迷惑をかけないようにしたいと遺言書の作成に関してのご相談者も増えています。

 

 

◇遺言書が無効となってしまった場合

私共へご依頼される方の中には、遺言書があっても不動産や預貯金の記載が曖昧で効果がないため、

せっかく故人が残した遺言書ですが、無効になってしまった遺言書を持参される方がいらっしゃいます。

そうなると、遺言書があっても、相続人全員で遺産分割協議を行わなければなりません。

遠方にいる相続人、音信不通な相続人、入院中の相続人など相続人同士で連絡を取り合うことは大変、

負担がかかることです。

親世代は面識があっても子や孫の世代では一度も会ったことがない場合もあり、遺産分割協議などの

相続手続をするにも時間と手間がかかりスムーズにいかない場合があります。

また、子供がいる方と再婚した場合や離婚相手が再婚した場合、非嫡出子がいる場合などは

相続関係が複雑になることが多いので注意が必要です。

 

仕事柄、様々な相続のケースを見ております。

遺言書を作成する際は、ほとんどのケースで公正証書遺言をお勧めします。

ご自身が亡くなった時に残された家族に願いを伝える為にも争いが起きないように有効な遺言書を作成しておくことをお勧めします。

 

先日ご相談にお越しになられた方も、専門家とお話することで不安が取り除かれ気が楽になったとおっしゃっていました。

一人で悩まず、一度ご相談いただけると確実な方法で手続できますので精神的なご負担と時間、費用の節約にも繋がります。

 

私共の事務所は手続に関する具体的なスケジュール、必要書類や費用を予め、お伝えしてからの手続になりますので安心してご相談ください。

 

遺言や相続財産などのご相談がありましたらお気軽に「お電話」又は「お問い合わせフォーム」からご予約ください。

代襲相続と数次相続の見分け方

2018-08-18

前回は代襲相続についてお話をしましたが、今回は数次相続についてお話をします。

相続手続は、戸籍を収集し、相続人を確定するところから始まります。

収集した戸籍を読んでいくと、代襲相続と数次相続が複雑に絡み合うことがあります。

読み間違えると相続人の数が変わってしまいますので注意が必要です。

 

◇数字相続とは何でしょうか?

数次相続(すうじそうぞく)とは、お亡くなりになった方(被相続人)の相続が開始した後に、遺産分割協議や相続登記が完了する前に相続人がお亡くなりになってしまい、次の相続が開始されてしまうことです。

このように相続が2回以上重なっている状態を「数次相続」といいます。

 

例えば父親が亡くなり、残された母親と2人の子供で相続財産の遺産分割協議をしている途中に母親が亡くなってしまった場合、2人の子供は父親と母親の遺産分割協議を行う必要があります。

この場合、亡くなった母親の相続財産の中には本来相続するはずだった父親の相続財産も含まれております。

ですので、実務上は、2人の子供は父親の相続人としての立場と、母親の相続人としての立場で父親の遺産分割協議に参加することになります。

 

◇代襲相続と数次相続の見分け方としては、お亡くなりになった方の死亡日と相続人の死亡日を確認します。

・お亡くなりになった方より「先」に死亡していれば代襲相続

・お亡くなりになった方より「後」に死亡していれば数次相続

 となります。

 

◇数次相続と代襲相続の違いは?

数次相続は

被相続人の相続人が、被相続人より後に亡くなり数次相続が発生した場合、お亡くなりになった相続人に子がいない場合でも、配偶者や兄弟姉妹がいると相続の範囲が広がります。

お亡くなりになった相続人の法定相続人全員が相続人となります。

 

代襲相続は

被相続人の相続人である子(被代襲者)が、被相続人より先に亡くなっていた場合、被代襲者に子がいなければ、代襲相続は発生しません。

お亡くなりになった相続人(被代襲者)に子がいる場合はその子が代襲し、さらにその子が亡くなっている場合に子(被相続人からみたら孫)がいる場合は孫が再代襲相続するなど、直系卑属が相続人となります。

ただし、被相続人の相続人が兄弟姉妹で、その兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合は、兄弟姉妹の子が代襲相続しますが、兄弟姉妹の子がさらに先に亡くなっていたとしても、そこから先は代襲相続は発生しません。

 

このように、数次相続と代襲相続が複雑に絡み合ったケースは慎重に読み解かないと読み違える場合があります。

 

当事務所では、ご依頼頂きましたら戸籍を収集し、相続人の確定を行いますので、

お困りの方はお気軽にご相談ください。

代襲相続とはなんでしょうか?

2018-08-08

代襲相続(だいしゅうそうぞく)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

あまり聞き慣れない言葉です。

 

お亡くなりになった方(被相続人)にお子さん(子)がいらっしゃった場合、その子は法定相続人になります。

しかし、被相続人よりも先に子が亡くなっている場合はその子に子供(被相続人の孫)がいると、その被相続人の孫が代襲者となり代襲相続人になります。

 

本来相続人になるはずだった親が相続の開始する前に亡くなっていた為、子や孫が代わりに相続人になるという制度を「代襲相続」と言います。

 

具体的にみてみましょう。

 

 

このような場合に、誰がAの相続人となるのでしょうか?

配偶者は常に相続人となり、第一順位の法定相続人は子となります。

今回、Aの子であるDが先に亡くなっているため、Dの子であるFが代襲相続人となります。

ですので、Aさんの法定相続人はB・C・Fとなります。

 

 

今回のケースでは、Dの相続人は誰でしょうか?

被相続人Dには子供がいません。

Dの両親A・Bもすでに亡くなっていますので、Dの兄弟姉妹が法定相続人となります。

しかし、兄弟であるEはすでに亡くなっており、Eには子Gがいます。

ですので、Dの法定相続人は、C・Gとなります。

 

では、代襲者が相続開始の時点ですでに亡くなっていた場合はどうなるのでしょうか?

代襲者が相続開始の前に亡くなっていた場合は「再代襲相続」になります。

 

◇ではどこまで代襲されるのでしょうか?

・被相続人の子が既にお亡くなりになられている場合は

代襲者は被相続人から見て直系卑属の孫、曾孫(ひまご)、玄孫(やしゃご)へ再代襲されます。

例1のケースで、FがAよりも先に亡くなっている場合には、Fの子がいればFの子が再代襲します。

 

・被相続人の兄弟姉妹が既にお亡くなりになられている場合

兄弟姉妹の子(甥、姪)に再代襲されます。

しかし、甥や姪が既にお亡くなりになっている場合は1代限りとなり、次はありません。

例2のケースで、GがDより先に亡くなっていた場合でも、Gの子は再代襲しません。

 

遺産分割協議書を作成する場合は、代襲相続人を含めた相続人全員で協議します。

 

代襲相続に関する登記の申請手続は通常の登記申請手続と変わりませんが、戸籍謄本の内容をしっかり確認し相続人を把握する事が重要です。

 

 

次回は数次相続についてお話します。

ご高齢な方やご兄弟姉妹が多い家系、長い間、相続登記をしていなかった場合などは代襲相続と数次相続が複雑に絡みあったケースもあります。

戸籍を読み解き、法定相続人を正確に把握する事が大切になります。

法定相続人の判断を誤ると、遺産分割協議をもう一度やり直さなければいけなくなってしまいます。

当事務所は戸籍の収集からお手伝いできますので、お困りな方はお気軽にご相談ください。

遺言により不動産を遺贈された場合はどうするの?

2018-08-01

A子さんと長い間、同居していた叔母さんが亡くなり、叔母さん名義の土地と建物を遺言により遺贈されました。

この土地と建物の名義をA子さんに変更するために手続が必要になりました。

 

このようなケースはどのような手続が必要となるでしょうか。

 

まず、遺言書の種類によって、必要となる手続が異なります。

遺言が公正証書遺言の場合は検認の必要はありませんが、自筆証書遺言の場合には家庭裁判所で検認手続を行う事になります。

 

自筆証書遺言の検認申立てを行う場合は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に遺言書検認申立書を提出します。

添付する書類としては

・遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本

・相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

などですが、相続関係によって書類が異なりますので、事前の確認が必要です。

 

*これらの謄本等は法定相続情報証明制度を利用する場合、法定相続情報一覧図の写しで代用できますが、裁判所へ確認が必要です。

 

遺言書の検認が終わったら、次は法務局での不動産の名義変更です。

不動産の名義変更を行う際に、誰が登記申請を行うのでしょうか?

 

それは、遺言執行者が選任されているかどうかで変わります。

 

まず、遺言執行者が選任されていない場合は、

受遺者(もらう方)と相続人全員との共同で申請し、遺贈を原因とする所有権移転登記申請を行います。

遺言執行者が選任されている場合は、受遺者と遺言執行者との共同で申請し、遺贈を原因とする所有権移転登記申請を行います。

 

遺言執行者が選任されていない場合には、相続人全員の協力が必要となりますので、遺言書を書く際にはその辺りにも注意する必要があります。

 

法務局には、次のような書類を提出します。

 

①遺言執行者が選任されていない場合の遺贈による所有権移転登記申請

登記申請書を作成します。

添付する書類としては

・登記済証又は登記識別情報

・登記原因証明情報(遺言書)

・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本

・相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

・相続人全員の印鑑登録証明書

・受遺者の住民票の写し

・固定資産税評価証明書

 

上記を不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。

その際に不動産の固定資産評価額に1000分の20を乗じた額の登録免許税を納めます。

 

遺贈による効力発生日は遺贈者の死亡の日です。

 

登記申請は登記権利者である受遺者と登記義務者である遺贈者の登記義務の承継者たる相続人全員の共同で申請を行います。

遺贈者が所有権の登記を受けた後、住所や氏名が変更し、登記簿上の記載と一致していない場合には、遺贈による所有権移転登記を申請する前提として、遺贈者の住所または氏名の変更登記を申請する必要があります。

 

②遺言執行者が選任されている場合の遺贈による所有権移転登記申請

遺言執行者は相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有するとされていますので(民1012①)、遺言書に遺言執行者が定められている場合または家庭裁判所により遺言執行者が選任された場合には、遺言執行者と受遺者が共同で登記申請をします。この場合、登記義務者はあくまでも遺贈者であるため、申請書には遺言執行者の住所氏名は記載しません。

遺贈者の住所や氏名が登記簿上の記載と一致しない場合には、遺贈による所有権移転登記を申請する前提として遺贈者の住所または氏名の変更登記をする必要があります。

*①の相続人からの申請の場合と同様です。

 

添付する書類としては

・登記済証又は登記識別情報

・登記原因証明情報(遺言書)

・遺言執行者の印鑑登録証明書

・受遺者の住民票の写し

・固定資産税評価証明書

・家庭裁判所により遺言執行者が選択された場合はその審判書

 

以上が必要になります。

 

今回は、遺言により不動産を遺贈された場合の手続についてお話しました。

遺言書を書く際に、公正証書遺言が自筆証書遺言のどちらで遺言書を書くのか、遺言書で遺言執行者を決めるかどうか等に注意したり、遺贈の必要書類をあらかじめ遺言執行者や受遺者に伝えておいたりすると、不要な相続トラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。

実際に遺贈された方だけでなく、これから遺言書を書こうと考えている方においても

参考になればと思います。

 

遺贈を受けてその後の手続でお困りな方・遺言書で遺贈されたい方は、

お電話又は当サイトの「お問い合わせフォーム」よりご相談ください。

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