住所氏名変更登記の義務化について

住所氏名変更登記の義務化に関しては、既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、2021年4月の国会で正式に決まっております。

現時点での施行日は決まっておりませんが、改正後5年以内とされていますので2026年までには施行される予定です。

施行後は、住所氏名の変更があった日から2年以内に変更登記をしなければ罰則が課されます。

申請をすべき義務がある者が正当な理由なく申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処されることになります。

 

◆義務化になった背景

通常、土地や建物など不動産の所有者に連絡をしたい場合は、法務局で登記事項証明書を取得し所有者を確認します。

登記事項証明書(登記簿謄本)には所有者の住所や氏名など、現在登記されている情報が記載されています。

例えば、道路の新設や拡張、河川の拡張、公園の開設など、公共事業を行うにも所有者と連絡が取れなくては進める事ができません。

対象の不動産を購入したり、借りたりすることができないため、不動産の有効活用ができなくなります。

現在は、不動産の所有者が引越や結婚で住所や氏名が変更されても、住所変更登記は任意のため、登記せず放置するケースが多くあります。

また、相続が発生しても相続登記を何年も放置し、登記していない人がいるため、所有者がわからなくなっている状態が起きています。

そのため、全国で不動産の所有者と連絡が取れなくなり「所有者不明土地」が増え、区画整理や都市開発などの妨げになっていることが問題とされていました。

以前から義務化に関して議論、検討されてきましたが、所有者不明土地の問題を解消、予防するために義務化が成立されました。

 

次に住所変更登記が必要なケースと不要なケースを確認していきましょう。

 

◆住所変更登記が必要な場合

・登記簿に記載されている不動産の所有者が転居している場合

・住居表示の実施が行われた場合

・行政区画の変更によって地番が変更された場合

 

不動産を所有している人が引っ越しをして住所が変わった場合、法務局へ住所変更登記を申請する必要があります。

不動産の売買や贈与などで所有権移転登記を行う場合、売主様の住所が現住所と登記簿上の住所が異なる場合があります。このような場合は、所有権移転登記を申請する際に、前提として住所変更登記を申請する必要があります。

また、銀行で融資を受け抵当権設定登記を法務局へ申請する場合も、所有者の登記簿上の住所が現住所と異なる場合は住所変更登記が必要です。

 

◆氏名変更登記が必要な場合

結婚や離婚、養子などで氏名が変更されている場合もございます。このような場合は氏名変更登記が必要です。

 

*尚、会社等法人の名称や所在地に変更があった場合や代表取締役など役員の住所氏名が

変更した場合も同様です。

 

◆住所変更登記が不要な場合

・不動産の所有者が死亡している場合

・地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合

 

不動産の所有者が亡くなっている場合は相続登記が必要になり、住所変更登記は不要になります。

 

◆登記に必要な書類

住所変更登記の場合

・住民票:登記上の住所から現住所までのつながりがわかるもの。

     住民票の除票や戸籍の附票が必要な場合もあります。

氏名変更登記の場合

・戸籍謄本:又は戸籍抄本

・住民票:本籍地の記載があるもの

 

*ご依頼者本人が住民票や戸籍の取得が難しい場合は、住所氏名変更登記手続をご依頼の

場合に限り、司法書士が職務上請求書を使用し代行して取得する事ができます。

 

その他

・認印:シャチハタ印以外をご用意ください。

・身分証明証:免許証・パスポートなど

 

◆住所氏名変更登記の費用

・登録免許税:不動産の個数×1,000円(収入印紙)

 一戸建ての場合:土地+建物=2,000円になります。

 *土地や建物が複数ある場合は不動産の個数が増えますので登録免許税も加算されます。

・必要書類の取得費用:1,000円(税抜)+実費(1通200円~300円)

・郵送費:1,000円程度

・司法書士の報酬:10,000円~15,000円(税抜)程度

 

◆登記申請・完了

管轄の法務局の混雑状況にもよりますが、登記申請後、約1週間から10日程で手続が完了します。

登記完了日以降に法務局で登記完了証を受け取ります。

 

◆まとめ

2026年までに住所変更登記の義務化が開始される予定です。

義務化が開始されると住所氏名に変更があった日から「2年以内」に住所氏名変更登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく義務に違反した場合には、5万円以下」の過料の対象となります。

義務化開始前の住所変更も対象となりますのでご注意下さい。

 

引越で住所が変わった場合、役所で住所変更の手続をしますが、登記簿の住所は自動的に変更されるわけではありません。ご自身で法務局に申請されるか、司法書士に依頼する方法になります。

不動産の住所変更登記を行わず放置していると必要な書類が揃わない事もあります。

住民票の除票は、役所での保存期間が5年のため、書類が破棄されて入手できない場合もあります。(令和元年6月からは保存期間が150年に変更されています。)

住所のつながりを証明する為の書類が入手できない場合は、権利書や不在籍証明書・不在住証明書を用意する場合もあります。

複雑な場合や平日は忙しく法務局へ申請できない方は、司法書士に依頼する事をお勧めします。

 

住所氏名変更登記でお困りの方は、天白区の「いちえ司法書士事務所」までお気軽にご連絡ください。

ご相談は「完全予約制」になっております。

予約電話:052-746-1181 平日9:00~18:00

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