今回は相続した実家を売却する前に相続登記が必要になるというお話をしていきます。
先日、天白区の不動産会社から相続登記のご紹介を頂きました。
登記簿を調べてみると、売却したい不動産の相続登記がされていない事が判明したため、売買の手続を進める前に相続登記をお願いしたいという内容でした。
司法書士に相続登記手続をご依頼いただく際は、手続を進めるにあたり、相続人から委任を受ける必要がございます。
今回は事務所へお越しいただき、相続人から直接お話を伺い、委任状に署名と捺印を頂きました。
売買を予定している物件は、天白区にあるご実家(土地と建物)で、名義は父親(被相続人)です。
相続人は子の2名(姉妹)になります。
姉妹のうち、1人は名古屋市内で、もう1人は愛知県外で生活されているそうで、ご両親が亡くなってからは空き家の状態が数年間続いていたという事です。
今回は隣地の方から購入したい旨の意向があり、相続人の姉妹で相談し売却する事を決めたそうです。
◆名義変更手続の流れ
不動産の名義人がお亡くなりになっている場合は
①相続人へ名義を変更します。
このことを「相続による所有権移転(相続登記)」と言います。
不動産の場合、銀行などの金融機関から融資を受けて購入しているケースが多くあります。
既に完済している場合でも抵当権の抹消登記がされていないケースがあります。その場合は抵当権抹消登記も必要になります。
②相続登記が完了してから、売買による所有権移転をします。
①で名義変更した相続人が売主になり、買主(購入者)へ売買による所有権登記をします。
買主が融資を受ける場合は、融資先の銀行(金融機関)が抵当権を設定しますので、買主は抵当権設定登記費用も必要となります。
◆遺産分割協議書の作成
今回のケースでは、父親の遺言書はありませんでした。
相続人が複数人いる場合、誰に不動産の所有権を移転するかを協議する必要があります。
このことを「遺産分割協議」と言います。
相続人の姉妹は、売買の手続の事も踏まえ、名古屋市内在住の姉が相続する事に合意しました。
相続人同士の遺産分割協議がまとまった場合は、遺産分割協議書を作成します。
司法書士は協議に参加する事はできません。特定の相続人の味方になることはできませんので、相続人同士で決めて頂きます。
相続人間で合意が得られない場合は、遺産分割協議書の作成ができません。
話し合いをまとめるために弁護士に依頼をして解決する方法や、家庭裁判所での調停を申し立てるという方法もあります。
◆不動産の名義
相続人全員の共有名義に変更する場合もありますし、相続人のうちの1人の単独名義にする場合もあります。
不動産取引においては、売主・買主・不動産仲介業者・司法書士が同席し、売買代金や諸費用の精算が行われます。
名義人は、売主として原則出席する必要があります。
通常、買主が振り込みを行う金融機関で手続を行います。
◆登記申請
すべての書類が整い、当事務所へのご入金が確認できましたら、管轄の法務局へ登記申請を行います。
申請方法は2つあります。
天白区にある不動産の場合、管轄は名古屋法務局名東出張所になります。
管轄の法務局へ申請書類を直接持ち込む方法と司法書士の事務所からオンラインで申請する方法があります。
いちえ司法書士事務所ではオンライン申請を導入しておりますので、全国の法務局へ出向くことなくスピーディーに登記申請を行う事ができます。
◆相続登記が完了するまでの期間
不動産の名義変更(所有権移転登記手続)は、各法務局の混雑状況にもよりますが、申請してから登記が完了するまで約1週間から10日程かかります。
相続登記の申請で対象の不動産が複数あり、法務局の管轄が多数にわたる場合は時間がかかります。売買日を決める際は注意が必要です。
◆まとめ
今回のケースは遺言書がありませんでした。相続人の姉妹は良好な関係でしたので争いが無く、話し合いで相続手続をスムーズに進めることができました。
相続登記が完了し、売買による所有権移転登記も無事に完了しましたので、ご実家の名義は買主様の名義に変更されました。
相続財産に不動産がある場合は、お早めに名義変更(相続登記)を行う事をお勧めします。
相続登記には相続税の申告のように期限はありませんが、時間が経過すると、相続人が認知症になり本人確認が難しくなったり、相続人が死亡したりする場合もあります。
相続人が死亡すると更に相続人が増え、当時の状況が分からない相続人が増えて手続が複雑になり時間や費用が多くかかるケースがあります。
相続財産の「不動産の名義変更」でお困りな方は、天白区の「いちえ司法書士事務所」までお気軽にご連絡ください。
ご相談は「完全予約制」になっております。
お電話・メール・LINE等で、ご予約を受け付けております。
◆初回相談
初回の相談時に、ご持参して頂きたい書類等は
- ご来所される相続人の身分証明書(運転免許証など)
- ご来所される相続人の認印
- 不動産の固定資産税課税明細書(毎年4月頃に役所から発送されています。)
- 相続する不動産の権利書
- 相談料(初回相談5,500円税込) *手続をご依頼頂いた場合は不要です。
特に③を持参して頂いた場合は、不動産の登録免許税の計算ができますので、相続登記に関する概算の費用がわかります。
見積書の発行もできますので、事前に費用を把握する事ができます。
いちえ司法書士事務所では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「新しい生活様式」の実践として、事務所の入り口にアルコール消毒液と検温器の設置をし、面談室には飛沫防止アクリルパーテーション、加湿空気清浄機を設置しております。
面談テーブル・椅子・ドアノブ等のアルコール消毒や、ドア・窓を開放しての換気も行っております。
ご来所の際は、安心して面談できるよう環境を整えています。
女性の司法書士に相談をご希望の方は「いちえ司法書士事務所」までご相談ください。
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