相続登記の申請を行う場合、戸籍謄本や印鑑証明書の原本を法務局へ提出しますが、登記が
完了した際に戸籍謄本や印鑑証明書の原本を還付する事が可能です。
しかし、相続税の申告の為に税務署に提出する戸籍謄本などは原本還付ができません。
先に相続税の申告を行うと戸籍謄本や印鑑証明書は各2通必要になりますが、
不動産の所有権移転登記(相続登記)が必要な場合は先に法務局で登記申請をした後に、
相続税の申告を行うようにすると戸籍謄本や印鑑証明書は各1通ずつで手続ができます。
相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
【参考】国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
遺言書がある場合や遺産分割協議がまとまっているケースで相続税の申告前に登記をすることができるのであれば申告の前に登記を行う事をお勧めします。
◇税申告に戸籍謄本が必要な理由
相続税の申告には、亡くなった方(被相続人)と財産を受け取った相続人の関係を証明するために、
被相続人と相続人の戸籍謄本の添付が必要です。
◇コピーで対応が可能に
相続税の申告で税務署に戸籍謄本の原本を添付しますが、既に平成30年4月1日以降から
戸籍謄本のコピーの添付も認められるようになっています。
尚、従来通り原本を提出しても構いません。
【参考】国税庁ホームページ
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2017/pdf/h30kaisei.pdf
◇税務署の対応が統一
平成30年4月1日の施行前は税務署によって戸籍謄本の原本を添付する税務署と戸籍謄本のコピーで
対応してくれる税務署がありました。
申告の際に戸籍謄本のコピーを添付しても、後から原本の提出を求められることもありました。
コピーの添付が明確に認められたことで、税務署の対応の違いは無くなっているでしょう。
◇費用負担の軽減
相続税の申告に必要な戸籍関係書類として戸籍謄本のコピーの添付が認められることで、
これまで必要だった戸籍謄本の原本の数は1セット少なくなります。
通常、お亡くなりになった方(被相続人)の出生から死亡まで連続した戸籍謄本は「除籍謄本」や
「改製原戸籍謄本」等の古い戸籍謄本も含めて発行される為、通数が多いほど交付手数料が多くなります。
戸籍謄本のコピーの添付が認められた事で、原本を取り寄せる費用負担が軽減されます。
◇費用以外の負担
手数料の負担だけではなく、何度も役所に申請する手間も軽減されます。
また、相続税の申告には法定相続情報一覧図の写しの添付も認められ、戸籍関係書類の取得にかかわる
負担が軽減されています。
相続登記を行う場合、お忙しい方やお体が不自由で役所の開庁時間に戸籍謄本の取得が困難な方は
司法書士が代わりに取得致します。
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